食品の機能性を探る
JFLAの食品バイオ研究センターは、新たな食品の機能性を探求し、ヒトの健康と安全・安心のために、ユニークな研究を行っています。

食品バイオ研究センターでは、食品の持つ栄養機能、嗜好性機能だけでなく生体調節機能に焦点をあて、ユニークな素材の発掘・機能性検証・商品化・商品の育成までと、幅広くそして深く関わっています。特に検証分野では、ザクロ、もろみ酢、ノ二などの論文発表をはじめとする確かな研究成果が、安全で安心な食品を皆さまにお届けすることにつながっているのです。

もろみ酢の抗酸化性
泡盛のもろみである「かしじぇー」から造られるもろみ酢は、クエン酸やアミノ酸を含む健康飲料ですが、このもろみ酢に抗酸化作用があることを確認しました。

人間の体は、酸素を取り入れることで活性酸素が生じますが、これが過剰に発生すると、細胞を結果的に傷つけることとなり、老化や生活習慣病、炎症・膜障害などを引き起こす原因となります。過剰な活性酸素を防ぐメカニズムはもともと体内にありますが、不規則な生活や環境がそれを弱めてしまい、活性酸素が多すぎるとそのメカニズムではカバーしきれなくなるのです。

この現象について、そのため、ビタミンCやポリフェノールを含む抗酸化性を持つ食品を摂取することにより、過剰な活性酸素の発生を防ぐことができます。検証の結果、もろみ酢はポリフェノールを多く含む赤ワインと同等以上の、強い抗酸化作用があることが分かりました。

活性酸素と抗酸化作用
図-活性酸素と抗酸化作用

<参考文献>
寺澤圭一,大野英作:泡盛蒸留粕(もろみ酢)の各種評価系における抗酸化活性,日本農芸化学会大会講演要旨集(2005)

ザクロ果汁のエストロゲン様活性
ペルシャ原産の果物であるザクロの果汁は、女性ホルモンまたは女性ホルモンに似た物質が含まれていると考えられてきました。

エストロゲン活性は更年期障害の改善、動脈硬化や骨粗しょう症の防止、善玉コレステロールの増加、老化防止等に有効だとされています。

エストロゲンは、エストロゲンレセプターと呼ばれる分子と結合することでその作用が発揮されます。ザクロ果汁のエストロゲンに似た活性作用の存在を証明するため、卵巣を摘出したラットに、ザクロ果汁もしくは水を飲ませ、その後の子宮の重さを比較するという実験を行いました。
エストロゲンは卵巣から作られるため、卵巣を摘出すると子宮は小さくなります。この実験の結果、ザクロ果汁を飲ませたラットのほうが水を飲ませたラットよりも子宮重量が増加しており、ザクロ果汁にエストロゲンに似た活性作用があることが判明しました。

ザクロ果汁の作用機構
図-ザクロ果汁の作用機構

<参考文献>
丸 勇史,大西 淳,山口信也,小田泰雄,掛樋一晃,太田泰弘:ザクロ果汁のエストロゲン様活性,日本食品科学工学会誌,48 (2), 146-149 (2001)

オリーブ葉の機能
オリーブは古くから平和や生命、希望の象徴とされ、果実は油として広く食用されており、葉は糖尿病に良いとされ、民間薬として知られています。糖尿病による高血糖値を低下させる作用のひとつとして、α-アミラーゼなどの糖質分解酵素の働きを抑える作用が知られていますが、こうした作用がオリーブの葉にもあるのではないかということを動物実験と人間での試験で確認しました。

オリーブの葉には、高血糖者の食後の血糖値上昇を抑制する作用があることが認められました。そのメカニズムのひとつはα-アミラーゼ阻害であり、関与成分は、ルテオリン配糖体やオレウロペインであることがわかりました。つまりオリーブの葉は糖尿病の予防・改善に有用であるという結果が明らかになりました。

オリーブ葉による糖尿病の予防
図-オリーブ葉による糖尿病の予防

<参考文献>
Komaki, E., Yamaguchi, S., Maru, I., Kinoshita, M., Kakehi, K., Ohta, Y. and Tsukada, Y.: Identification of Anti-α-amylase Components from Olive Leaf Extracts, Food Sci. Technol. Res., 9 (1), 35-39 (2003)

ノニの血圧降下作用
ノニ果汁の中には血圧を正常に保ってくれる“ニコチアナミン”という成分が含まれています。“ニコチアナミン”は血圧の上昇に関与しているアンジオテンシンT変換酵素(ACE)の働きを抑えることが報告されています。ノ二果汁は、市販の血圧降下作用を謳っている食品よりも強いACE阻害作用を認めました。また、ラット(高血圧モデルラット)を用いた実験でも、血圧降下作用を認めました。

血圧上昇と抑制機構

<参考文献>
山口信也,大西 淳,十河政信,丸 勇史,太田泰弘,塚田陽二:ノ二(Morinda citrifolia)果汁のアンジオテンシンT変換酵素阻害活性,日本食品科学工学会誌,49 (9), 624-627 (2002)
山口信也,十河政信,丸 勇史,平竹 潤,太田泰弘: ノ二(Morinda citrifolia)果汁のアンジオテンシンT変換酵素阻害物質の単離,日本食品科学工学会第50回大会講演要旨集(2003)

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